2011年06月15日

さりげない紳士的態度―ロシア人に学べ

 ささいなことだったけれども、少し悔やんでいることがある。
 先日の夕方のとき。かなり混みあっている新宿駅で乗り換えをしていたときだった。人ごみの中で、ひときわ大きな荷物を抱えていた若い女性二人が、その運搬に苦心していた。その二人を見たところ、韓国からやって来た人らしかった。荷物は本当に大きく、かなり重そうで、まるで長期滞在にやって来たような感じだった。
 階段のところで、二人で慎重に抱えながら運んでいるのを見て、手伝おう、という気が一瞬僕の中に起こった。ただ夕方ラッシュに巻き込まれ、人がどんどんと流れ歩いているせいか、また約束の時間が近かったこともあってか、一目しただけで通り過ぎてしまった。それから数歩進んだときに、やっぱり手伝おう、とふり向いたときには、またしても人の波が押し寄せてきていて、引き返せるような雰囲気ではなかった。まあ、仕方あるまい、と踵を返して、その日の目的地まで行ったのだったが、いやはや、これがなかなか悔やまれる。
 周りなど気にせず、”May I help? ”とだけ言って、手伝うだけである。やっぱり勇気がないというか、大人ではないな、と反省を促される……。

 こうやって見知らぬ人に手助けをしようという気をより強くさせたのは、留学中の一般のロシア人たちの態度だった。大きな荷物を運んでいようものなら、若いお兄さんをはじめ、気さくに手を貸してくれる人たちが少なくなかった。また、荷物を持ってあげるというほどではないけれど、次に来る人のためにドアを持って待っているとか、道を先に通すなど、ほんのささいな気遣いや親切を教えてくれたのも、一般のロシア人たちだった。正直言って、このような「さりげない紳士的態度」は、かなり感心したものだった。そして、そのような社会で生活していたものだったから、僕も真似しようとして、試みては実践していたつもりだった。

 「さりげない紳士的態度」。これは、日本でも同じように当たり前の気遣いであり、親切でもある。臆することなく実践してゆこうと、改めて思わせる、ひとつの苦い後悔だった。

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posted by Itta Tojiki at 23:29| Comment(0) | 外国からの視点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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