2011年08月04日

夏の夜明け

 深夜まで飲んでいた僕は、その場が解散した後に、マクドナルドへ向かった。終電もないし、翌日のテストの準備もせねばならなかったから、最初から家には帰る気はなかったのだ。とくにロシア語のテストが控えていたから、なおさらだった。
 数時間、ロシア語のテキストと「にらめっこ」したあたりで、ふいに店内の居心地が悪くなった。冷房が抑えられて、むうっとした暑苦しい空気が漂いはじめたのだった。我慢はしてはみたものの、集中力が欠けはじめたことに気付いた僕は、荷物をまとめ、外に出た。時間は、朝4時ごろ。当然始発もあるわけなかったが、店内よりは、いくぶんか涼しい気がしたので、気分転換に散歩でもしてやろうと思ったのだ。

 街中は静かだった。空も、夏といえども薄暗く、ほんのりと風が頬を打った。運送のトラックがまばらに走り、ときどき、おじさんの「おはようございまーす」という声が聞こえる。

 公園に入った。公園の奥のほうでは、人間が数人、一定の間隔をとって寝そべっていた。蛇口で顔を洗っている人もいた。ランニングをしている人もいた。
 虫の声と何か得体の知れぬ飛翔体が飛び交う音が耳に入った。ブーンと羽をふるわせる音を僕の近くで発するものだから、ずいぶん気味が悪かった。おそらく、正体はコウモリだったろう。
 そんな、日常とはかけ離れた「異世界」をしばらく楽しんだ。何かあるかもしれないという一抹の不安と興味が合わさった妙な気分になった。久々に神経が刺激されているのが、存分に分かる。

 どのくらい歩いただろうか、気付くと空は少し明るみを帯びてきた。じわり、じわりと夜の世界を追いやってゆく様が、空というキャンバスにみごとに描かれていた。気付いたら、セミの声が聞こえだした。いつからが朝なのだろうか、という素朴な問いには、虫が分かりやすく教えてくれる。
 夏の夜明け。妖艶な雰囲気の夜は、気付かないうちにその存在を薄め、いつの間にか朝に場を譲る。そんな朝のひととき。ほんのりとアルコールが残る僕は、別の酔いにおそわれていたのだった。

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posted by Itta Tojiki at 20:25| Comment(0) | 自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月05日

今年も暑い……

 最近、一段と暑くなってきました。日本特有の湿り気のある、むしむしとした暑さです。ちょっと外を歩こうものなら、汗が全身から噴出し、汗を抑えようと建物の中に入っても、節電のために冷房がほとんど効いておらず、汗と格闘する日々が続いています。水分を取るために飲み物を買おうと思っても、大学のキャンパスでは、自動販売機のほとんどが節電のために利用ができなくなっており、汗だくのまま絶句したことがありました。今年は熱中症、脱水症状に、一段と注意せねばならないようです。

 暑いのは、日本だけではないようです。昨年の夏、38度の猛暑に見舞われたロシアは、今年以降も、厳しい暑さが待っているようです。

ロシアの異常猛暑 2015年まで 非常事態省(ロシアの声 7月1日)
 ロシア非常事態省の専門家らは、ロシアの夏に見られる異常猛暑が2015年まで続くという見通しを示した。向こう5年間では、気温の上昇だけではなく、熱波による影響も長引くと予想されている。
 非常事態省災害対策センターのヴラジスラフ・ボロフ・センター長がリア・ノーボスチ通信に対して明らかにした。
 昨年2010年には、19の連邦構成主体で山火事の災害が起きており、被害総額は120億ルーブルとなっている。今年もシベリアおよび極東地域で山火事が観測されている。


 湿度が低く、乾燥しているロシアでは、猛暑による熱気がそのまま火事を引き起こしてしまうのです。そう考えてみると、このウットウしい湿気も、少しは良く捉えることができるのでは……ないでしょうか……。とは言いつつも、我慢なりませんが笑

 
 7月に入り、試験の準備もそうですが、僕自身、就職活動の話もボチボチ出てきています。もうそんな時期かあ、と思いながら、大学生活の進むスピードに驚いているしだいです。自分のやるべきことをやりつつ、ブログの運営ももっと効率よくやっていきたいと考えています。

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posted by Itta Tojiki at 23:35| Comment(0) | 自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

ウシガエルの声

 僕が住んでいるアパートの近くには、一本の小さな川が流れている。用水路ではなく、ちゃんとした川であって、周囲は東京らしからぬ緑に包まれている。
 数日前のこと、いつものように川の近くを歩いていると、妙に聞きなれた「うなり声」が耳を襲った。たった一度だけだったので、わが耳を疑った。しばらくすると、ふたたびその「うなり声」があがる。今度は断続的に、だ。ここで、ようやく確信した。「うなり声」の主は、まぎれもなく、ウシガエルであった。
 宮崎の田舎にある祖父母の家の近くには、池があった。小さいころから、そこへ泊まりに行くと、ウシガエルの声を子守唄にぐっすりと眠ったものだった。ただ、その池は、今はない。
 ウシガエルの、ドスのきいたバリトンを、東京の一人暮らしの家で聞けるなんて、何とも嬉しいめぐりあわせではないか。

 帰宅のとき、月が出ていた。けれども、明るい街に浮かびあがる月の輝きには、迫力がない。人間に変な気を起こさせるような、夜の妖艶な誘惑もなく、ただ単調にポツンと浮かんでいるだけ。だって、目の前の街灯のほうが、自分の目にまぶしく映っているのだから……。

 最寄の駅からアパートの道の途中に、わりあい大きな神社がある。夜になると、老いた木々が影をなし、神社の灯が怪しくひかり、少ない街灯が目下を照らすだけで、かなり不気味な印象を与えている。初めて歩く人は、ある種の恐怖を抱くかもしれない。どうして日本の神社というのは、夜になると、こうも不気味なのだろうか。夜に限らず、薄暗い中、鳥居をくぐろうなんていう気は、なかなか起きないだろう。人に、畏敬の念を抱かせるような、何か不思議な力があるのかしらん。

 たった15分の帰宅の途中でさえも、かくも多くの風情があることに、驚きます。注視して周囲を見渡すことは、何か精神を豊かに、楽しくさせてくれるようです。

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posted by Itta Tojiki at 22:36| Comment(0) | 自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月07日

山があって、谷があって、滝もある―日本の自然

 先日、群馬県にある「吹割(ふきわれ)の滝」というところに行ってきました。

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 山の中に、巨大な滝があるわけですが、その一帯は、まるで「日本の自然」の縮図のようなところでした。

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 こんな急流や岩肌というのは、見るものを間違いなく圧倒します。風景的な美しさもそうですが、自分の存在をちっぽけなものに思わしめる力もあるような気がします。

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2011年04月06日

僕のふるさと

 モスクワという街には、日本でいう「山」というものは目にすることが出来ず、そして当然「海」にも出会いません。
 
 僕が生まれ育った九州の太平洋側という場所では、東には海、西に行けば、九州山地にぶつかります。また当然、山には美しい川が流れています。南に位置しているので、冬でもポカポカな気候であるこの場所は、寒冷なモスクワとは正反対の姿を現していると思っています。
  
 福岡から宮崎に帰る際に、大分を通って行ったのですが、右手に由布岳、左手に別府湾を臨むこの場所こそ、典型的な九州太平洋側の地形だと思うのでした。

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 山があり、海があるということが、どれだけ恵まれた自然環境なのか、ということは、一度海外を見なければ決して分かることではなかったでしょう。帰省して、僕を育ててくれた何気ない自然たちは、あまりに「偉大」な存在なのでした。

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 これらの風景こそ、一生頭から離れることのない原風景なのでしょう。大学を卒業して働きだすことを考えると、こうやってゆっくりと故郷で過ごす時間は、ずいぶんと貴重なものだと思います。

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 サクラが満開な宮崎にて

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