2011年12月10日

大規模デモについて―もはや他人事ではない……

 本来なら、先日のモスクワ滞在のレポート(実際に執筆中)を公表すべきなのだろうが、今のモスクワの状況――下院選を受けての大規模デモ――を考慮すると、このことについて言及せずにはいられない。

 さっきからネット上では、デモを伝えるニュースでにぎわう。参加者が3万とも4万とされ、いずれにしても大規模であることには変わりない。これまでなら、ただロシアの出来事だとして、興味のある人間として眺めておくことができた。だが、今回のデモの場合だけは、僕に切迫した現実をつけつけている。なぜなら、僕のfacebookのページに、「デモに参加します!」という友人たちのコメントが見られるからだ。
 デモの当日である10日を迎えるまでに、いく人かの友人の参加が確認でき、そしていざ当日になると、リアルタイムで写真をアップロードしていた。現在日本に留学しているロシア人の友人も、ustreamでの生動画をアップしていた。ロシア政治の実情が、社会に対するロシア人の声が、こんなにも生々しく現されるなんて思ってもいなかった。

 ロシア政治が今後……、なんていう話もあるだろうが、まずは参加している友人たちの無事だ。許可を得たデモだと伝えられているし、これまでの報道ではまだ武力的な話はあがっていない。とはいえ、気になってしまうのは仕方のないこと……。
 
 プーチン権力の失墜だ、などと先走った言及は避けたいし、デモに参加した友人たちをエライと称えよう、という政治のお話をする気もない。今のところ、僕は政治の話に立ち入りたくない。
 逃げているのですか、という問いが聞こえてきそうだが、いや、安易に政治に口出しをするのは危険だと考えているからである。もちろん、西洋的な民主主義が大事なんだ、という論理を用いれば、ロシアは糾弾されるべき国家ではあるだろう。ただ、それはロシアと関わっていこうとする人間の意見としては、浅はかだと思うのだ。

 正直なところ、こんなにも「ロシア」が自らに迫ってきたことに、大いなる驚きを覚え、面食らっている。一度、この現実を深く心身に落とし込む必要があるだろうし、もっと永い時間、「ロシア」と触れなくてはならないだろう。そうしたときに、ようやく自身のロシア観というのが、わずかな光を帯びてくるだろう。

 ともあれ、今回のデモは、僕に新たな次元での思考を強いた。なじみの場所に、デモ隊が群れをなし、その中に知っている顔がまぎれているのだ。何かそわそわせずにはいられないではないか!

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posted by Itta Tojiki at 23:58| Comment(0) | 個人的なこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月16日

モスクワ行きにあたって

 さて、出発が3日後に近づいてきた今日この頃。飛行の切符に、空港までのバスの切符、そして一泊分のホテルの予約がすべて完了し、あとは荷造りをするだけになりました。またモスクワの友人たちとも連絡が取れ、多くの友人たちとの再会が果たせそうです。

 一日早くモスクワ入りをするということでしたが、友だちの多くがJ−FESTというイベントに参加するというので、僕もそこの会場に行くことになりました。このフェスタ、実は去年AKB48が公演をしたイベントでして、僕も足を運んでいたのでした。つまり、2年連続の参加という日本人では珍しいパターンなのです!
 再会という楽しみだけではなく、イベント的にも面白いものが見られるかもしれません。

 

 こうやって日にちが近づいてくると、妙にほどよい緊張感が出てくるものです。当たり前の話ですが、日本での日常のような心持でモスクワにでも行こうものなら、おそらくはイタイ目にあってしまうでしょう。それだけ日本での生活は気を抜いていても大方は差し支えないのだろうし、あるいはモスクワという街の治安がよろしくないのかもしれません。僕の個人的な感想をいえば、日本が異常に平静なのだと思っておりますが……。

 帰国してから7ヶ月と半分が過ぎています。日本の空気に投げ込まれた後には、体重も増え、生活から緊張感が薄れ、妙に生きづらい東京の「常識」とやらにすっかり飼いならされてしまっています。こんな堕落した自らに、何か針を打ち込むような刺激が、モスクワでは待っているのだろうと予感しています。モスクワでの「治療」の成果を、帰国後に見せられるように、思考を根深く下ろしていく必要があるようです。
 
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2011年11月10日

ふたたびのモスクワ行き

 今月の下旬に、10日ほどモスクワに行くことになりました。ロシア連邦政府青年事業庁の行事の一環で、日本の学生を政府機関に招くということで、その学生のうちの一人になったわけです。議会や首相府、一部省庁の訪問やそこの人間との交流を通じて、よりロシアという国を知ってもらう、という意図だそうです。
 留学中は、じっくりとモスクワの生活を眺めていくことができましたが、実際にこのようなオフィシャルな部分に触れたことはありませんでした。おそらくは、今回の訪露は、まったく違った目線でロシアという国を見つめることができるのでしょう。そう考えると、とても胸が熱くなります。


 個人的な話をすれば、実は、所定の日にちよりも、一日早くモスクワ入りします。一泊の旅行みたいな感じなのですが、目的としては、モスクワにいる友人たちと会うことです。そして何よりも、もう一度ゆっくりモスクワの空気を吸いたいのです。
 3月に帰国して、8ヶ月後にふたたびモスクワを訪れるなんて願ってもないことでした。正直なところ、就職活動もひと段落ついてから、ゆっくりロシアを旅行しようと考えていて、ロシア行きは当分先のことだろうと思っていました。
 それが思いもかけないことがきっかけで、ずいぶんと早まることになりました。思えば、帰国してからというもの、どこかモスクワの空気を求めているきらいがありました。あの妙に怪しげで、妙に妖艶な感じを思わせつつ、背筋を伸ばしてくれる緊張に浸りたい欲望があったのでした。


 「モスクワ、とはあなたにとって何ですか?」

 帰国するときに、先生が僕にそう問いました。
 
 「第二の故郷です。」

 なぜだかそういう返事を僕に言わしめた街です。
 ホテルを予約しようとして、モスクワ中心街の地図を眺めていると、目に入る地名やら駅名、通りなどが鮮明に脳裏に浮かびあがってくるのです。それぞれの場所での思い出という想い出が、しっかり焼きついているのです。
 
 このような機会にめぐりあえたことに、感謝しつつ、行くからにはしっかり視てきます。おそらくは、これまでのブログの記事とは少し異なった種類のものが書けるのかもしれません。ぜひ、報告を楽しみにしていただきたいと思います。


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posted by Itta Tojiki at 22:22| Comment(0) | 個人的なこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

はじめての露大使館訪問

 先日、とある用事があって、在日ロシア連邦大使館に赴く機会がありました。用件に関しては、じきに明らかになりますので、ここではあえて触れません。とにかくはじめての大使館訪問でしたので、それをリポートしたいと思います。

 地下鉄日比谷線、神谷町駅から地上に出ると、そのまま東京タワー方面を目指しながら桜田通りをなぞるように歩く。500メートルほど進み、右に曲がり外苑東通りに入る。すると、ちらほらとロシア人らしき人たちが歩いていたり、車に乗っていたりするのが目に付いた。
 わりあい急な坂を登りながら、大使館を目指すが、なかなか写真で確認した巨大な建物が見つからない。それもそのはず、周りを日本風の塀で囲まれた敷地内は、坂の下からはまったく見えないのだ。人が3人分くらいの高さの塀が、まるでお城のそれのように、そびえ立っているような印象を与えるのだ。
 坂の上まで来ると、塀にへばりついて、敷地内をぐるりと警備している警察官の姿を認めることができる。警備杖を持ちながら、凛とした立ち姿に普段とは違う雰囲気を感じたのは、これが大使館の近くだったからか……。

 大使館に用事のある学生だから、ということだろうか、まったく警戒されずに敷地内に入った。広々とした空間に、すっとスマートな建物がそびえ立つ。

 中に通された。豪華絢爛な広間で受付を済ませ、2階へ上がった。階段を上っていると、ロシア語が頭から降ってくる。高級な雰囲気の中で、ロシア人が話しているのを見ると、日本国内にも関わらず異空間にいるような気がした。
 
 
 何の目的で行ったのかは、後日詳細にお伝えします。
 何はともあれ、在日ロシア大使館は、思っていた以上に高級で、豪華で……、と月並みな表現がそのまま当てはまる場所でした。本当は写真でも撮ってくればよいのでしょうが、いやはや、難しかったわけです。
 大使館のホームページはあるのですが、内装までは紹介していません。用件のあった場所は、シャンデリアが輝き、奥にはピアノがあって、と完全にヨーロッパの王室のようでした。という、形容で伝わるとは思いませんが、とりあえず報告でした。

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posted by Itta Tojiki at 21:06| Comment(0) | 個人的なこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月06日

留学説明会より――それぞれの「荒野」を目指して

 今日は、僕が留学の手続きなどでお世話になったJIC国際交流センターの留学説明会に参加させていただきました。今年の9月から出発する人たちの説明会があるということで、ありがたいことに、OBとして参加できないか、というお誘いを受けていたのでした。

 説明会では、ロシアの状況、留学先での勉強などの基本的なことがらが話され、そのつど僕が体験や現在の状況を伝えるというものでした。たかだか7ヶ月しかモスクワにいなかった僕が、こういう立場についてお話しするというのは、たいへん恐縮で柄でもないのではないかと思う部分もあったのですが、モスクワを曲がりなりにも体感し、生活してきたものとして、それを伝える役割というのは果たすべきだという気持ちがあったので、赴いたしだいでした。
 
 説明会を過ごしながら、ああ去年もこんな感じだったなあと思いをめぐらせておりました。不安よりも期待のほうが大きく、何かやってやるぞ、という気概に満ち溢れていた去年の自分を思い出します。またモスクワのころの話をしていると、あの時のことが今でも鮮明に記憶されていることが再認識され、一気に脳裏にイメージが駆けめぐっていたのでした。同時にあの時の、何かギラギラとしていた過去の自分に、現在の自分の不甲斐なさを思い知らされ、妙な「疎外感」を覚えてしまっていました。
 これから出発される方たちのことを、うらやましく思いましたし、彼らを通じて自分が照り返されていたのでした。

 今、帰国してからのことを振り返ると、自分が「抜け殻」のように、いかに堕落していたが手に取るように恥ずかしく、後悔の念とともに感じられます。

 昨日、五木寛之の『青年は荒野をめざす』という小説を読みました。読み始めてから、目の前のレポートを後回しにして、一気に読み終えたほどに熱中したのですが、それには物語の内容が大きな理由にありました。20才の青年が、音楽の本質や人生そのものについて考えながら、モスクワ、ヘルシンキ、パリ、マドリードを旅してゆき、未来という人生の「荒野」と向き合う姿に、自分を重ね合わせないわけがなかったのです。海外の空気を吸いながら、たくましくなってゆく主人公のことが、うらやましく感じられ、自分が「疎外」されるのが分かるのでした。

 作品の主人公、そして今日の説明会に来ていた人たちは、それぞれの想いを胸に、それぞれの人生の「荒野」を目指すのでしょう。
 ここ数日の出来事に、帰国してから靄(もや)がかかって見えなくなっていた、僕の「荒野」が、かすかに見えはじめているように感じます。実に刺激的な想いをしたのでした。

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posted by Itta Tojiki at 23:59| Comment(0) | 個人的なこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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